| แฟ้มประวัติモコナの宝箱บล็อกรายการ | วิธีใช้ |
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12 สิงหาคม 1-11-d うーむ、浩平って難しいよね? 兵たちが、馬車を囲んで動く。
町と町を結ぶ街道を、粛々と歩く。
街道沿いに住む人々は、普段は見ない旗を持ち、雪華の兵に支給される物とは違った色の鎧を見にやってくる。
そして、その光景を知っているものは知らないものに伝える ――― それが尾根からの使者である事を。
雪華王国の西に位置する尾根王国。
元来文化国家として名高いこの国は、数十年前より雪華の属国と化しており、三年に一度、年始に使者がやってくる。
無論、使者と言えど軽い身分のものが行えるはずも無く、自然、兵が警護にあたることになり、それを雪華は許可している。自国の強さを自国民に示す行事とも言えよう。
あくまで静かに、進む…あくまで外からは静かに。
わしゃわしゃわしゃ 『止めるの』 「ふむ、やはり足を組み、右手にワインを、左手で猫を撫でるのは男の浪漫だな、なあ恭也」
「・・・・・」
わしゃわしゃわしゃわしゃわしゃわしゃ 『猫じゃないの』 「あー…つまらん、退屈だ、三年前は初めてだったから耐えれたが、これはやってられん」
「…少し落ち着いたらどうだ」
「恭也」
男は少女を撫でまわすのを止めることなく、しれっとこう答えた。 「俺に落ち着きの『二』文字は無い!」 「・・・・・」
『髪が乱れるの』
わしゃわしゃわしゃわしゃわしゃ… 「ちっ…しっかりしたつっこみがいないことの寂しさを大いに感じるぞ、長森か誰かを連れてくるべきだったか」 (美由希をつれてこなくて正解だったな…あいつだとからかいのいい対象だ)
『助かったの…』
尾根王国、首都、尾根。 「クシュンッ!!」 「お姉ちゃん、風邪?」
「あ、みさおちゃん。多分浩平が私のことを言ってるんだよ…ほんと、馬鹿やってないかと心配だよ…」
「お兄ちゃん、大丈夫かなぁ」
「私はついていった澪ちゃんや恭也さんの方が心配だよ…」
「すでにあちらについた後のことに関しては決定済みだ、昨日と一昨日の夜を全てそれに費やしたからな。見るか? 後ろに積んであるが」 「・・・・・」
『みさおちゃんを連れてくれば良かったの』
「何…?」
浩平は カッ! っと目を見開き頭を振って叫び上げる。 無論、腕はばってん、つばは飛ばしまくり。まさに口角泡飛ばす。
「だめだめだめだめ! みさおを連れてくるだとぅ!? こんな危険な場所にみさおを連れてくるだとっ!? 例えお天道様が許してもおにいちゃんは認めませんよッ!!」 先ほどから文字を書いていた紙で、つばを受け止める澪。 その横で、恭也 ――― 高町恭也はぼんやりとこう考えていた。
(なのはをこいつには絶対会わせない)
再び、尾根、王城内。 「くしゅっ…」 「はぁ…浩平…何を喋ってるんだろ…きっとろくでもないことだよ」
「へぅ…私が風邪かな…そうだ、お姉ちゃん、由起子さんが呼んでるよ? 急ぎじゃないって言ってたけど」
「えっ、分かったよ、この書類を片付けたら行くね」
「うん、待ってるから一緒にいこっ!」
浩平は何かを紙に書き付け、それを澪に渡す。
澪は、その結構な大きさの紙を ――― 一振りすると、視界から消し去った。
「じゃ、よろしく頼むわ。こっちが着く前日でも構わんぞ、とにかく先にあいつのところに届けてくれればいい」
『分かったの』
別の紙をどこから取り出したのか、それに書き付けて澪が返事をする。最初から、彼女は喋らずに、全て紙に書いてやりとりを行っている。
「別に他の奴を動かしてもいいんだがな…あいつが顔知ってるのはお前だけだもんな、というわけで行ってこーい!」
『拝命、上月 澪、出るの』
普通に馬車から降りると、兵たちの間を抜け、道沿いの人たちの中に紛れ、すぐに見えなくなった。
「さすがに小さいだけあって、すぐ見えなくなることだ。速度は柚木に劣るがな」
「・・・・・」
「何かいえよ…退屈は猫を殺すぞ」
「…基本的な剣技について講義したら寝たではないか」
「だーっ! つっこめ、つっこんでくれ!」
崩れ落ちて大げさに床を叩く、浩平。
浩平 ――― 折原浩平、尾根王国次期国王内定者、つまるところ、王子である。
そして恭也はその護衛として雇われている剣士である。
西から東へ、進みゆく一団はあくまで粛々と ―――
25 กรกฎาคม 1-11-c 21:37~ 久瀬は、北方の盟主である。
雪華王国には、同盟という形で入っている。実質一王国として存在してもおかしくない規模だ。
だが、地理上北国である雪華の、さらに北に位置するため、色々と厳しい面が多く。
それゆえ、久瀬家は雪華との共闘を選んだ。
牙を内にしまいこみ。
「式は二ヵ月後か…発表は一ヶ月後で、そちらにお願いするが、いいだろうか」
「ああ、もう準備させている。こちらのほうが関係は広いから、こちらが担当させてもらおう、久瀬公」
「うむ、お願いする、倉田殿」
倉田正弥は、仕事の合間を縫って、久瀬家を訪れていた。
「しかし、本当に驚いた。我が家と倉田家が結ぶなんて、今目の前に本人がいるというのに信じられんよ」
「今までならそうだったかもしれないが、もうそういってられない。そういう時期というだけだ、久瀬公」
「何を掴んだか知らないが…こちらとしては願ったり叶ったりだ」
「娘を出すんだ、それ相応の見返りを期待している」
「何、それをいうならこちらも一人息子だ、変わらん」
「では、一誠殿にも、誠司殿にも、よろしく伝えて貰いたい」
「次に会うのは、婚約の時か」
「失礼する、将隆殿」
久瀬将隆 ――― 当代の久瀬当主は、倉田正弥を見送り自分の椅子に深く腰掛け、葉巻に手を伸ばした。
「本当に、倉田は何を考えているのだ…? 拠点も我が領に移している…明らかに何かを、こちらの知らない何かを掴んでいるはずなのだが…」
将隆は考えて…考えて、止めた。
「どんな不測の事態にも対処できてこそ、だ。倉田から聞き出すのは無理だろうな」
葉巻を燻らせて、ぽつり、と呟いた。
「分かりました、風子、早速出発します」
ザッ…
一人の少女が、屋敷の中から姿を消す。
それを呆然と見つめる男女一組、すでにあきらめている男女一組。
「えっと…放っておいてよろしいでしょうか? 公子さん」
「はい、いつものことですから」
公子、と呼ばれた女性は消えていった少女に一切目もくれず、目の前の二人を見つめていた。
「…では、用件の続きを。祐一様への繋ぎを少なくして、その分を別に回してもらいたいのです」
「別…ですか?」
男は公子の言葉に頷くと、続きを言おうとして隣から手で制された。
「ええ、その分を、常盤王国の監視に回していただきたい」
「暦さん…一応僕がこの件の責任者なんだけど ―――
「あなたは黙って。これは私の問題だから」
暦…と呼ばれた女性は眼鏡の中から鋭い視線を男に放つ。
「はい…」
どうやらこの男女の上下関係は分かりやすいらしい。
「理由をお聞かせ願いますか?」
「常盤王国は、別段我々の仲間ではない。いつ尾根を襲うか分からない。あの二国の関係はまず当分修復不可能だろう…ということだ」
「分かりました、その依頼。確かに受け取りました」
「ありがたい、遠いとはいえ身内の事でね」
「…なるほど、白河、そうだったのですか」
「今はもう違うがな…」
暦と公子は、自分達の隣を無視して話を進める。
男達はそれに慣れているのか、別に口出しする事もなく。
「それでいいですよね、祐介さん」
「ああ、他との被りは無い、大丈夫だ」
問われて答えるのが、せいぜいといったところである。
「では、祐一様との繋ぎは ―――
ダダダダダ
ガラガラガラ!
「大変です、風子、どこに行けばいいのか聞くのを忘れていました!」
障子を開けて、最初の少女 ――― 風子 ――― が縁側から飛び込んでくる。
「ふぅちゃん、『祐一様への繋ぎを…』、で飛び出しちゃったもんね」
「で、その祐一さんはどこにいるんですか? お姉ちゃん」
「そうね…幹彦さん、繋ぎは適当でもいいでしょうか? 速度だけは保障できますが…」
暦の隣の男 ――― は突然会話を振られたが、慌てることなく答える。やはり慣れているらしい。
「…まあ、そこまで重要なことを持たせることは少ないと思いますが…まさか?」
「ふぅちゃん、今からこの人たちについてもらえるかな?」
「風子、ぷちがんばります」
頭が痛い…とさも言わんばかりにこめかみを押さえながら、暦は公子に不安をぶつけた。
「…本当に大丈夫なのか? 公子さん」
「はい。一応祐介さんもつけますから…」
「二度手間にならないかと」
「これも修行の一貫ですので、将来はきちんと『伊吹』を背負ってもらわなくてはいけませんから」
「愛だな…姉妹愛… それは時に男女の愛を超え…」
「では、私たちはお暇する」
「ふぅちゃん、しっかり頑張ってね」
祐介 ――― 公子の隣にいた男 ――― が突如ぶつぶつ語り始めたところで、暦達は席を立った。
「では、お願いします、『伊吹』」
「ええ、『伊吹』の名にかけて」
「風子にお任せください、もう一人で夜歩いてもちびったりしません」
「うん、ふぅちゃんはちょっと黙っててね」
「ぷちしょっくですっ!」
「では…」
暦と幹彦、ついで風子が縁側から出て行く。
ここは伊吹の里。
『伊吹』の名を持つ忍者達が、どこの国にも属すことなく職業忍として、渡された依頼をこなす。もちろん、受け取りを拒否することもある。気に入った仕事しかやらないのだ。
戦闘を仕掛けない、という変わった集団であり、様々な国の人間が集まっている事でも、また変わり者であるということに拍車をかけている。
「佐伯さんたちなら、ふぅちゃんを任せても大丈夫よね」
「あの夫婦なら無茶はさせないだろう…もうすぐ荒れ狂う波が押し寄せる、どの国にも…」
「あの二人の未来に幸がありますように…」
「俺達の未来にも、だ」
「もー、祐介さんったら」
そしてこの二人こそ、現在『伊吹』の首領である伊吹公子、並びに伊吹祐介なのである。
23 กรกฎาคม 1-11-b 道場に一人。
黒髪の女性が一人。
舞が一人。
一人、正座していた。
(佐祐理…)
川澄舞は、今までに無い問題に頭を悩ませていた。
(お母さん…藍…)
原因は、あの晩の佐祐理の言葉であった。
『佐祐理は…今度、結婚する事になりました』
『・・・・・!!!』
『それで、ここを離れるの』
『・・・・・』
『それに…舞にもついてきて欲しいの』
『・・・・・!!!!!』
道場には彼女一人。
扉の影から見守るのも一人。
(舞…何を悩んでるんだろ…やっぱり舞に何も伝えてないのはまずいのかな…)
藍はその様子を見ながら、一人見当違いのことを考えていた。
舞はそれに気付かず、ただひたすら悩んでいた。
相談は出来る、相談すべき事柄かもしれない、だが舞はそれをしなかった。
それは彼女の誇りではなく…『免許皆伝』 の身である以上、一人で決めれる事は決めようという、彼女の思いから。
(佐祐理と一緒にいたい…でも…)
人生の岐路に、舞は今、立っていた。
「お、来た来た、先に回すように頼んどいてよかったよかった」
「お兄ちゃん、今年も先に回してもらったんだ」
「もちろん、情報は鮮度が大事だ。人よりほんの少し先に知る優越感がたまらないんだ、ふっふっふ」
「私は、別に見なくてもいいけどね」
「ことり、今年も行かないのか?」
「うん…」
「ま、人ごみが嫌いっていう理由だから、仕方ないのは分かってるんだけど。一度行くのもいいもんだぞ」
「うん…考えとくね」
「ああ、気乗りしないなら止めとけよ? 無理したりしたら駄目だからな」
そういうと潤は、手元の紙 ――― 本来各通りや各区画ごとに貼り出される『冬華祭』の予定表、知り合いの父親がそれ関連の仕事をしているので事前に流してもらっている ――― に目を落とした。
ことりは今だ見ぬ祭のことを想像した。
(初日が王城前の広場や各通りで色々出し物があって、後、学校で講演会みたいなのがあるんだよね。講演会というより、研究発表会みたいなの。各方面の偉い人が集ってそれを皆で聞くって。)
潤は二日目の方から見ているようだ。
(初日の夜…夜は、音楽と劇。もちろん劇場に入りきらない人は外で遊んでるけど。私も…あの場所で、歌ってみたいな…でも、今のままだと多分倒れちゃう…特に今の時期は、無理だよね…)
「そういえば、今年もことりは蹴ったのか? 誘い」
「今年も断っちゃった」
「もったいない、ていうか今からでも遅くないから出たらいいのにさ」
「いいの、それで。皆あんなに練習してるのに、私が勝手に選ばれるのはおかしいもの」
「そうか? まあそう思うんだったらそれでいいけど、っていうか出られたらまたいらん虫が増えるか…ぬが、それも困るぞ…」
潤は二日目の朝が楽しみなのを、ことりはよく知っていた。
(二日目は、朝は演武、夜は舞踏会。お兄ちゃんは舞踏会は窮屈で駄目だ…っていつも言ってるし、演武って戦うんだよね…私はちょっと駄目かな…)
「決めたっ!!」
「え?」
「今年一日目も出るぞ」
「え?」
「いや、一日目に講演見に行くって」
「え~~~!?!?」
ことりの声が、家中に響き渡る。
「ことり様! どうなされました!」
「と…ともちゃん…お兄ちゃんが…」
チャッ…
手元にナイフを出し、潤を睨みつける智子。
「何をしたの? 吐いたらすぐに楽にしてあげるわ」
「まてまてまてまて、俺は何もしてないぞ!?」
「お…お兄ちゃんが…」
「潤様…最後通告です、何をしました?」
「俺はただ、『一日目に講演見に行く』って言っただけだ」
「・・・・・」
固まる智子。
「・・・・・」
まだ固まっていることり。
「その沈黙を、俺はどう受け止めればいいんだよ…」
「で、何をしました?」
「また聞くのか!?」
「冗談はおいておいて、本気ですか、潤様」
「本気、みたいだよ、ともちゃん」
「あー、あー何だ、別にお偉方を見に行くんじゃない、これだ、これ」
指である場所を叩く。
そこにはこう書いてあった。
――― 相川祐一 ―――
「なるほど…見に行くわけですか」
「ああ、やっぱり、見て判断するべきだろ?」
「その通りだけど…びっくりしたよ、お兄ちゃんがいきなりそんな事言い出すから」
「まだ言うか…」
「えへへ、ごめんね」
(でもまあ、それだけ俺はこの得体の知れない『英雄』が気にかかるんだ…かなり気にかかる、香里にひかれるのと違う意味で同じくらいひかれてるんだ)
「…お兄ちゃん、頑張ってね」
「ん? 何を頑張るのか分からないが、頑張ってくる」
「じゃ、私は部屋に戻るね」
「おう、俺も色々と準備する事があるからな、ちょっと出てくる」
二人が去った居間に、智子は一人残り…少し思案して、自分の作業に戻っていった。 22 กรกฎาคม 1-11-a 19:19~ オールスター第一戦目 尭さんの曲 考察『あたしに妹なんていないわ』
香里の言葉が脳裏を過ぎる。
『いや、そういう風に見えただけだ、名雪が妹で香里が姉な』
『そう…』
香里の表情が目にちらつく。
「ありゃぁ…禁句だったのか? ま、別にいいんだけどな…」
祐一は、椅子の背もたれに体を深く沈める。
キィ…キィ…
(妹…か、あいつには苦労かけてきた、で、これからも苦労かけて、最後まで苦労かけそうだな…ほんと、どうしようもない兄貴だよ)
椅子を揺らして思考の海に沈む。
久しぶりに会った名雪よりも、楽しそうな秋子よりも、彼女のことが祐一には気にかかっていた。
(当分、王城に近づかない方がいいな。不必要に美坂に近づくのは…何の利益もまず生まれない。それに香里は『強い』からどうやってもこちら側に転ぶような事は無いだろうし)
マルチの入れた酔い覚ましの珈琲。
手付かずのまま、もう湯気を上げていなかった。
香里は必死に青い物体を揺さぶっていた。
青い物体は必死…否、気持ちよさげに緑の物体を抱きしめ、遠い世界に在住である。
「名雪、名雪!! 起きなさい!!!」
元は侍女達の役目であった名雪の起こし役を、秋子の命令と自分の責任感から引き受けた香里。
だが、今は少し後悔しているようである。
「…あれ…祐一…そうだ、祐一は?」
「もう…朝よ、名雪」
「う~…もしかして、私、寝ちゃった?」
「ええ、いつもどおりの九時過ぎにね」
「はぁ…昨日は起きて、もっといっぱいおしゃべりしたかったのに…」
明らかに気落ちしている名雪に、香里はかける言葉を探す。
探す…探すが、どうも見つからない。
(よく考えたら、私、男をそういう風に見たことなんて無いから…こればかりは名雪にアドバイスできないわ…)
しょんぼりと肩を落として着替える名雪。
「今日の予定は何~?」
「今日は特に何も無いわ、一週間後の『冬華祭』の予定が、正式に発表されて雪華中に知らされるくらいよ。私達の準備は三日前くらいからかしら」
「『冬華祭』…」
名雪が目を閉じる。
まだ寝る気かと思った香里が近づいた瞬間 ―――
「そうだよ! 見に行けばいいんだよ!」
――― 叫んだ。
「名雪…うるさいわ…」
まだ耳鳴りが止まない香里が抗議するのも聞かず、名雪はそれはいいことを思いついたと言わんがばかり、鼻歌でも歌いそうな勢いだ。
「ねぇ、香里、お願い、連れてって?」
「駄目よ、その日は二日目の打ち合わせが…」
「お願い」
「駄目」
「お願い」
「だ・め・よ」
少し、いつもより名雪の瞳が大きく開く。
香里の目が覗き込まれる。
「美坂…香里」
香里は知っていた。
こうなったときの名雪の言葉に、自分が逆らえない事に。
なぜ逆らえないのか、分からない。
でも、決して逆らえないでいる自分を。
美坂香里は知っていた。
≪お願い≫
数分後、名雪が笑顔で部屋から出て行くのに、あきらめ顔の香里が続くのが見えた。 21 กรกฎาคม 1-10-d 23:38~ 三国蒼天、引渡し、将棋、巡回…言い訳はいい、時間かけすぎな「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・」
周囲の兵士達の動揺をよそに、二人は無言で見つめ合う。
香里は、そんな二人を少しどきどきしながら、それでも努めて冷静を装いつつ見守っていた。
「…待たせたみたいだな、寒くないか」
「ううん、私が勝手に出てきただけだから…」
「・・・・・」
「・・・・・」
言葉が出ない。
二人の思いは、同じなのか、否か。
七年前に思いを馳せているのか。
七年前と今とを比べているのか。
ただ今、今のみを見ているのか。
それとも…
「私の名前…まだ覚えてる?」
「花子」
ギシッ…
香里の拳が、一層固く握られる。
(何てこと言うのよ…こんな時に!)
つ…と汗が流れる。
「違う…」
「じゃ、次郎」
「あたし、女の子…」
流石に力も抜ける。
同時に香里は理解した。これが彼らなりの挨拶だと。
(どっちも周りに世話をかけるってのはいただけないわ…)
「私、先に行くわ」
「よし、それじゃ俺も行くか」
「名前…」
「秋子様が既にお待ちになっているわ」
「あの人は昔から先回りするのが好きだからな」
「う~う~、なまえ~~」
香里は振り向かなかった、後ろで行われることが見えていたから。
祐一は振り返らなかった、ただ一言かければよかったから。
「行くぞ…名雪」
「うんっ!」
あふれんばかりの笑顔で二人に着いてゆく名雪。
兵達にも、そのやわらかな雰囲気が広がってゆく。
それは、石橋が城を出るときに喝を与えるまで続いた。
「秋子様」
「ええ、入ってきてください」
三人が部屋に入ると、彼らの予想通りに晩餐の準備が整っていた。
侍女達が回りに並び、一番奥に秋子が座っている。
「お招きに預かり、光栄です」
「あらあら、じゃあ招きに応じていただいてこちらも光栄ですわ、祐一さん」
「じゃ、そういうことで香里はどこに座るんだ?」
「私の役目ならもう言ったと思うけど?」
「ま、そりゃそうだな」
手前から向かって左に奥から名雪、そして香里が。
その向かい側に祐一が座る。
「では、皆さん揃いましたし…」
その言葉とともに、侍女達がワインをグラスに注ぐ。
満たされたグラスを秋子が手に取り、それに倣い三人も続く。
「祐一さんとの、七年ぶりの再会を祝して…乾杯」
チン…
「で、そういうことを学んできたわけなんです、尾根で」
「じゃあ祐一はもう講師が出来るんだね」
「そうだ、偉いだろう、敬え」
「そこで威張らなければ格好がつくと思うんだけど…」
「あら、祐一さんには今度の『あれ』にでてもらうつもりなのよ?」
「えっ…『あれ』にですか…」
「ええ、『冬華祭』の一日目のとりをつとめていただきます、準備のほうはどうですか? 祐一さん」
「順調ですよ、資料を急ぎこちらに届けさせていますし。かなりの人数が来るみたいですけど大体何人くらい来るのですかね?」
「そうですね…二日目の方が盛り上がるので、一日目はそこまで多くありませんが、千人は下らないと考えてくださいね」
「喉の調子も整えてかからないといけませんね…それは」
「祐一」
「うん?」
「がんばってね」
「ああ、任せとけ。半数近く眠りに誘うような講演にして見せるからな」
「わ、すごい」
「それはある意味すごいわね…褒めどころじゃないけど」
話は祐一のものだけでもつきる事は無く。
あらためて七年という時間の長さを秋子は思い知らされていた。
そして、料理を食べ終わり、時刻が九時をかなり回ったところで ―――
「うにゅ…」
「名雪…名雪…はぁ…もう駄目みたいです」
目が糸になり、船を漕ぐ名雪を流石に見かねたのか香里が肩を貸して立ち上がらせる。
「そうね、香里ちゃん、お願いするわ。その後戻ってきてちょうだいね」
「はい、分かりました」
「祐一さんは、時間は大丈夫ですか?」
「ええ、そちらがよろしければ、まだまだ付き合いますよ」
「ふふ…じゃあ祐一さんばかりに話させるのもなんですから、こちらの話もしないといけませんね」
香里は名雪を無理矢理引っ張って、彼女の寝室まで連れて行く。
ここに入れるのは、限られた侍従侍女、そして香里のみ。
部屋まで連れて来たところで、後を侍女に任せると彼女は今日初めて出会った男のことを考えながら戻り始めた。
(なんだか煙に捲かれてるみたい…いつのまにか彼の調子に合わせて、それに満足してる自分がいるなんて。確かに、面白い人物である事は確かね…傍にいたら退屈だけはしないような人)
四人だけの晩餐会が行われていた部屋の前で、立ち止まる。
(あたし…期待してるのかしら…いえ、あたしには『いない』、そう、『いない』んだから…)
「ただいま戻りました」
「御苦労様」
「お疲れ、香里さんや」
「これが毎日の日課よ。もう慣れたわ」
「なんてーか…あれだな」
「何?」
それは彼女への、美坂香里への ―――
「香里は、『お姉さん』って感じだな」
――― 断ち切れること無き呪詛。
20 กรกฎาคม 1-10-c 20:03~キーボードの掃除はタイヘンダ 何かやたら消えてたので修正「いつか…ですか…」
その言葉に栞は少し顔を俯け、再び上げた。
「じゃあ、また来ますね!」
あまりに不自然な明るさ。
だが、祐一はそれに言及する事は無かった。
「ああ、大歓迎だ。ついでに自慢のお姉さんも連れてきてくれると嬉しいぞ」
「あはは、考えておきます」
「今度はその手品の仕組みを解いてやるからな」
「じゃあ次までの宿題ですね♪」
「それじゃ、そろそろ時間がまずいから帰るわ。ここまででよかったか?」
「ええ、大丈夫です」
「それじゃな、栞、体、大事にな」
「はい、祐一さん」
公園から元来た道を戻る祐一を、栞は消えるまで見つめていた。
そして周りに誰もいない場所まで移動し、辺りを確認して ―――
ガクンッ!!
――― 崩れ落ちた。
「ハァ…ハァ…やっぱり…きついですね…」
再び薬を取り出す。さらにポケットの中から水筒を取り出す。
薬は決して風邪薬などではなく…鎮痛剤と安定剤。
(ほんと…今さらですがどうしようもない体ですね…この『力』があるのは、病気のせいかもしれないですが、無かったらこうやって動けてませんし…)
薬を飲み、水筒を『小さくする』
そしてポケットにしまいこみ、家路へ着くのだった。
彼女は既に、指定の場所に辿り着いていた。
そして、その場所を見て唖然としていた。
(話には聞いていたけど、本当に居酒屋に居を構えているのね…相川家、けちなのかそれとも、何か考えあってなのかしら?)
美坂香里は自分の家を思い浮かべる。ついでに隣の家も思い浮かべる。
(まあ、自領の城はある程度の規模でしょうけど、それにしてもこれはないんじゃないのかしら? 北川家でもちゃんとした屋敷なのに…)
むこうから男が向かってくる。
どうやらここに入るようだ。
(ちょうどいいわ、中に入るのもなんだし、呼んで来てもらおうかしら)
男も香里に気付く。
「ちょっと、いいかしら?」
「何だ?」
「ここに用よね? 相川祐一様に伝えてくれないかしら? 今晩の迎えが来ているって」
「…ああ、分かった」
男が中に入っていく。
(ふぅ…これで入らなくて済むわ。一度入ってみるのもいいかもしれないけど…例え店とはいえ、他人の家にずけずけと入るのは、ましてや相手は世間で『英雄』と騒がれてる相川祐一。こちらもそれ相応に対応しなくちゃ)
それから待つこと十分。
「…遅いわね…」
十分。
大した時間ではないが、何らかの返事があってもおかしくは無い…時間である。
(これは入って来いって言ってると取っていいのかしら?)
意を決して、扉に手をかける。
ガチャ…
「あ…」
「お…」
中から開く。
その先には先ほどの男。
「わりぃ、待たせたかな…」
「え…?」
「迎えが来るなんて書いてなかったからな、大慌てで支度したんだが…」
「嘘…あなたが…相川祐一…」
「ん? そうだが?」
にやり、とも、にこり、とも取れる意味深な笑みを浮かべて、祐一は答えた。
その態度に、香里は
「じゃあ、さっきのは私をからかったわけ?」
「いあ、からかうつもりは無かったんだけどな。ちょっと驚かすのもありかと思って」
「はぁ……」
気が抜けたのか、あからさまに肩を落とす。
「なんだか…張り詰めてたのが馬鹿みたい…」
「そいつは良かった。それも狙いだったからな」
「で、もう行けるかしら?」
「ああ、いつでも大丈夫だ。ところで、名前を聞いてもいいか?」
「ええ、そうね。あたしは近衛隊所属、王女付き ――― 美坂 ――― 香里よ」
「へぇ…美坂か…こいつはとんだ出迎えだな」
「あら、あまりに豪華でびっくりした?」
「ああ、色々とな。それに…王女付きってことはかなり使えるんだろ?」
「さあ、あなたほどじゃないんじゃないの?」
一瞬、空気が張り詰める。
美坂、相川
両家とも雪華王国の重鎮、お互いに気を許しきっているわけではない。
だがこの場の空気が醸し出すのは、そういったものではなく ――― ただ純粋な戦闘嗜好 ―――
「俺は…そんな大した人間じゃないよ」
「そう、じゃあ行くわよ。名雪が早く連れて来るよううるさくってね」
「あー、なるほどな」
二人肩を並べて歩き出す。
夜の白い街を行く、見目麗しき男女一組。
人々が目を向けるのも無理は無い。
結構な人数が彼らに視線を集めている、が、当人たちは慣れているのか、何事も無いように語り合っていた。
「本来、直属の付き人なんて役目であるあんたが来るような仕事じゃないだろ? 一体なぜよこされたんだ?」
「あんたって呼び方は心外ね…姫に早く連れて来るよう急かされたのよ…気持ちは分かるけど」
「じゃあ香里って呼ぶぜ、俺のことも祐一でいいぞ…名雪は何でそんなに急いでるんだ?」
「後者は遠慮するわ…あの子 ――― っ、姫は寝るのが人一倍早いの…大体九時ごろには眠くなって、十時には夢の国よ。話す時間を長くしたいのよ」
「残念だ…ああ、姫って呼ぶのが辛いんならどう呼んでも構わないぞ。何か不自然そうだし」
「一応本人の前以外では…」
「俺の前ならいいぜ?」
臆面もなくそんな言葉を持ち出す祐一に、香里は少し戸惑い、しかしある事を思い直して応えた。
「…あなた、ほんとに『遊び人』って言われてたのが分かるわ…調子いいわね? 女の子の前だからかしら?」
「否定はしない」
「否定しなさいよ…あなたの調子に乗せられてるようね…いいわ、付き合ってあげる」
「いきなり告白かっ!? ちょっと心の準備が…」
「違うわよっ! 本当にあなた、名雪 ――― もうこう呼んでもいいわね ――― 名雪の従兄弟なわけ? 聞いてた通りとはいえ…」
「なんって言ってた? あいつ」
「『いじめてくる変な優しい』」
「わけわからん…」
「あの子も大概天然だから…」
「七年たっても変わらないか」
「多分あなたの台詞、そっくりそのまま返されると思うわ」
「いや、ほんと、うちの従姉妹が世話かけてます」
「何だか…その言葉が胸に沁みるわ…」
「あいつ、そんなに世話かけてるのか…」
「「はぁ…」」
二人そろって溜息をつく。
すでに城門の前に辿り着いていたが、なにやら警備の兵たちが騒がしい…否、騒いでいるのではなく、様子が妙だ。
「ありゃ…まさか」
「あの子、待ちきれなかったようね…中で待ってるように言っておいたのに…」
18 กรกฎาคม 1-10-b 19:57~ 頭痛くて、めっさ時間かかった・・「とにかく、マルチは人のようで人じゃないんだ」
「よくわからないけど分かりました」
「あんまり言わないでくれると助かるかな」
「もちろん、言っても信じてもらえなさそうです」
『目を光らせるマルチ』の説明を一通り行った祐一は、その反応に安堵した。
「確かに、信じてもらえないだろうな…こいつが機械だなんてねぇ…」
わしゃわしゃとマルチの頭を少し乱暴に撫でる。
その行為を、少し嫌がりつつも祐一のなすままに任せるマルチ。
羨ましそうに眺める栞。
「楽しそうですね」
「栞にもやってやろうか?」
「え…えっと、遠慮しときます…最近やってもらってないだけで…」
「最近?」
はっ、と口を押さえるがもう遅い。
「てことは、誰にやってもらってるのかな~?」
「うぅ…言わなきゃ駄目ですか?」
「言わなきゃ駄目」
「その…内緒ですよ?」
「もちろん、内緒内緒」
じゃあ、と言うと観念して、そして少しもったいぶって指を口に当てて ―――
「うちの…お姉ちゃんです」
――― 頬を赤らめ、誇らしげにそう答えた。
「そっか、じゃあ栞は妹なんだな」
「はい、頼りない妹ですけど」
「大丈夫、大概頼りないのは年上の方さ、ここにいい例が存在する」
「美冬さんはしっかりしてますからね~」
「おい、マルチ、そんなこというのはこの口か、うりうりうりうりーーー!」
「いひゃ、いひゃいでふよ、ゆ~いちしゃ~~ん」
口をびろーんと引っ張られるマルチ。
そんなマルチを尻目に続ける栞。
「うちに限ってそんなことありません。お姉ちゃんはほんと凄いんですから」
「そっか…いい姉なんだな」
「はい、私の自慢のお姉ちゃんです」
「…大事にしろよ、ほんとに」
「言われなくても大丈夫ですよ、駄目な『お・に・い・ちゃ・ん』」
「ぐはっ!!! 何て痛烈な切り返し…」
「ふふふ…っ!! うっっ…ゴホッ! ゴホッ!! ゴフッ…ケホッケホッ!!!」
「お、おい、大丈夫か?」
突然咽んだ栞に、立ち上がり背中をさすりにゆく祐一。
「ケホッ…ケホケホ…水を…」
「マルチ、水だ、頼む」
「は、はわ、ただいま!」
「大丈夫か? 栞」
「はい…何とかだい…コホッ…じょうぶです。ただの風邪ですから…」
「・・・・・」
栞はポケットの中から白い袋を取り出し、さらにその中から錠剤を幾つか取り出した。
「も、持って来ました~~」
「あ、すみません、マルチさん、落ち着いてください」
「はぅ…」
「マルチ、落ち着け、大丈夫だ」
錠剤を口に含み、水で一気に流し込む。
そうすると、少し落ち着いたように見えた。
「これで大丈夫です…お騒がせしました」
「まさかもう効いたわけじゃないだろ?」
「即効性じゃないのですが、飲むと気分が落ち着くんです」
「なるほど…心理効果のほうね」
「詳しいんですね、祐一さん」
「実家が医者をやっててね…俺はその道を行かなかったから、妹に苦労かけてるんだよ」
「それで…ですか」
カサッ…と袋を手で握る音。
その袋に書かれた文字は ――― 『相川』
「いや、気にしなくていい、どうせ俺には無理だったからな」
「すみません…余計な事を聞いてしまって」
「いいんだ、こっちもお姉さんのことを聞いたんだ、あいこだよ」
「…そう言ってもらえると助かります」
冬の日は短い。
まだ4時過ぎだというのに街は赤く染まっていた。
「もうこんな時間ですね・・・、ちょっと長居してしまいました」
「そだな、俺も夜に用事があってな・・・そろそろ準備しないと」
「では、お代を…」
「おいおい、何言ってんだよ。代金なんて取るわけないじゃないか」
「でも…」
「まだ開店してないんだ、だから全部ロハってわけ」
「その…いいんですか?」
「何度も言わせるなって…開店するぞ?」
「じゃあお言葉に甘えちゃいます」
くるっと回転しながら席を立つ。
「一応病人だし、途中まで送ってくよ、マルチ、マスター起こして準備を頼む」
「はい、わかりました~」
「よし、それじゃ行くか」
「それも甘えていいですか?」
「ああ、初対面が大事だって言ったろ? な?」
「ふふっ…」
「はははっ」
「では、お送りください、酒屋の騎士様」
「光栄でございます、病弱なお姫様」
街の中を二人はゆっくりと進んでいく、栞の速度にあわせて。
「そういえば、栞は学校、行かなくていいのか?」
「あの…その、風邪ですから、休んでるんです」
「風邪の女の子が外を出歩いて、ましてや昨日今日知り合った男と一緒にいていいのか?」
「祐一さん、信頼してますから」
「…そう言われると返す言葉が無いな…答えになってないけど」
「すみません…そうですね…じゃあ、ちょっと面白いものを見せるので、それで許してくれませんか?」
「面白いもの?」
「ええ、面白い…と思いますよ、私は好きです」
「それじゃ、それで貸し借りなしにするか、それにしてもお互い秘密が多いな、俺達」
「うふふ、女の子には秘密がいっぱいなんですよ、祐一さん」
「じゃあ俺も女の子か…?」
「あはは、とにかく公園まで行きましょう」
「おう」
夕暮れの公園には、既に人の影は少なく。
噴水の辺りに腰掛けると、栞はほぅ・・・と白い息を吐き出した。
「そういえば、私が絵を描くのが好きなのって言いましたっけ?」
「ああ、聞いたぞ。風景画中心らしいな」
「はい、最近はここの噴水に座って描いてる事が多いのですが…」
そういいながら栞はポケットの中を探る。
そして出てきたのは…
「じゃーん!」
「はぁっ!!?!」
出てきたのは
画材道具一式
勿論、到底ポケットの中に入りきりはしない。
「・・・・・」
「どうです!すごいでしょう?」
「・・・・・」
「これ、お姉ちゃんにも内緒だったりするんですよ」
「凄いな…えっと…どうなってるんだ?」
「それは…」
「それは?」
「…秘密です」
グシャ
大げさにすっころぶ。
「ここまで引っ張ってそうくるか…」
「実は私にも良く分からないんです、いつの間にか出来てたので」
「重さがどうなってるのかが気になるな…」
「それも秘密です~」
「じゃ、いつか聞き出してやるからな」
17 กรกฎาคม AT1-10-a 13:50~ SS読んでたせいでめっさ時間食った…「くぁ…よく寝た…か…」
1月11日、すでに太陽は南の空に行き、街は活動を始めて久しい。
「お、いい匂いだな…マルチのやつ、ほんと上達したんだな」
階下から昼飯の匂い。
前日、徹夜で作業を行なっていた祐一の体はもう止められない。
「今日はマルチに起こされる前に起きれて良かった、としておくか」
昨日、一昨日とマルチに殺されかけたので、さすがに学習したのだろうか、と思いつつ、祐一は階段を降りていった。
厨房のマルチを尻目に、客席に座り声をかける。
「お冷お願いー」
「はーい!ただいまー…って、祐一さん!」
いつものごとくとてとてと、それが危なっかしくもあり、ほほえましくもあり。
「あれだ、俺が昼食ってる間、休んでるか?」
「あ、はい、そうさせていただきますー。ところで、いつの間に起きてたんですか?」
「ああ、ついさっきだ。下からいい匂いがしたからな」
「ありがとうございます~、今朝までずっとやってましたもんね~、あ、すぐに仕度します」
厨房の方にまたとてとてと戻っていく。
その姿を見ながら、ふと、今日の日付を思い出した祐一はあるものを取りに二階に再び上がっていった。
「あれ?ゆういちさ~ん」
「あ~悪い、マルチ、置いといてくれ、後休憩入っていいぞ」
「はい~、ではただいまよりメンテナンスモードに入ります、終了まで、一時間…ただいまよりメンテナンスモードに…」
すっと瞳の色が消えると、店の中央に立ったまま、マルチは動かなくなった。
「よし、ちゃんとしまった場所にあってよかった…一応持っていかないと駄目だろうからな…って!マルチ…また立ったまま調整に入ったのか…」
右手に何やら豪華な手紙らしきものを持って再び降りてきた祐一は、マルチを抱えて椅子に座らせた。
「さてっと…こいつによると、六時半…てことは六時に城に着けば問題ないから五時から準備するか。名雪とは久しぶりだな」
席につき、秋子からの晩餐会招待状を皺が付かないよう丁寧に机の上に置くと、朝食兼昼食をほおばり始めた。
ガチャ…
店の扉が開く。
外の冷たい空気が入ってくる。
「あー、営業時間外なんだが…って」
「こんにちは、来ちゃいました」
そこには、先日の少女が変わらぬ姿で立っていた。
「ごめんな、たいしたもの出せなくて」
「いえ、そんな、私が押しかけたのに」
二人でお茶をすする。
「苦いです…」
「げ、やっぱり口にあわなかったか?」
「私、甘党なんです…」
「ああ、なるほど」
話しながら、少女は先ほどから気になっていた事を口にした。
「あの、そこの人は…眠ってるんでしょうか?」
「あ~、そろそろ…」
ウィーーーーーン
「メンテナンスモードを終了、メンテナンスモード終了、異常無し、日常モードに切り替わります」
カッ! という音とともに、瞳に光が宿り、マルチは動き出した。
「はい、今回も異常無しです、祐一さん…あ、お客さんですねー、ご注文はお決まりでしょうか~」
「えうえ…光った…光りましたー---!?!?」
いつもの応対をするマルチ。
慌てふためく少女。
「…何だかいつもと立場逆転だな、マルチ」
あわてて茶碗を落とす少女。
それをとっさに拾いに行くマルチ。
ゴン
「はわゎぁ~~~」
「ああ、す、すいません!すいません!」
体勢を崩して頭で捕らえたマルチ。
ひたすら謝りつづける少女。
「…やっぱりいつもどおりだな、マルチ」
ひとしきり混乱し終え、三人で後片付けをしてようやっと落ち着く。
「そろそろ名前を聞いていいか? そのほうが呼びやすいし。先に言っておくと俺が祐一、んでこっちが」
「マルチです、よろしくお願いします~」
「ま、さっきから読んでたから聞いてたかもしれないがな」
「では、祐一さん、マルチさん、でいいですか?」
「ああ、『お兄ちゃん』と呼んでくれても構わないぞ」
「せっかくですけど、遠慮させてもらいますね♪」
「うぬぅ…残念だ、もう一人妹ができると思ったのに…」
少し大げさにがっくりとする祐一を置いて、マルチが続ける。
「それで、そちらのお名前はなんとおっしゃるのでしょうか~?」
「あ、はい、私はみ…、栞、栞っていいます」
「栞か、いい名前だ」
「それ、初対面の人に必ず言ってません?」
「流石にばればれだったな」
「ふふっ…」
「そこ、笑わない、初対面は重要なんだぞ? なあ、マルチ」
「え? え? えっと、そ、そうです、ジュウヨウデスよ~」
「何だか無理矢理言わせてるようにしか見えないんですが…」
16 กรกฎาคม テスト2 22:36テスト二日目
姫が先ほどあっぷしたので、今からでもかけるのですが・・・ちょいと取り込み中
そこで日記代わりにこのかてごりで書き込んでみる。
日記でいいじゃない・・・とは言うなかれ
次で10話になるわけで・・・そろそろ地図くらい書こうかなぁ…という気になっております。
ていうかね
地図が無いとわからないような描き方しか出来ない私が悪いんだな。
反省中orz
自分でも明確じゃないとこをはっきりさせときたいという狙いもあります
うん・・・がんばります
明日の朝には
更新できるかな・・
めにゃ
15 กรกฎาคม テスト 22:51~テストテスト、実は1-9を今送ったところなので、それがUPられるまで1-10書き出せないことに気付いたのでした。
いや、もうメモ帳に書き始めてもいいのですが、せっかくこっちに書くって決めた矢先にメモ帳に書き出したら本末転倒?(違う
てなわけでテストですテスト。こう、タイトルのとこに題名と、それから書き始めた時間を書いたら、終わってあげた後で何分書けて書いたのかが分かるというわけです・・・ストップウォッチで計ればもうまんたいなのですが、なんとなくです。
とりあえず今(22:57?)に送ったのが姫によってアップされたら、今日の分を取り掛かろうと思いまつ・・・明日になるじゃろうなぁ・・・
でも暇な日は2回やったりできたら、進みが早くなるかしら?
そうそう、予告とかしてみたかったので、ここでしてみます、わはー
10話予告:美坂家揃い踏み。 |
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